映画『エイリアン:ロムルス[ALIEN ROMULUS]』の見どころと感想

SF

かつてリプリーによって爆破されたノストロモ号の残骸を探査中の無人探査機が、何かの塊をウェイランド・ユタニ社所有のルネッサンス宇宙ステーションに持って帰ってくる。その中にはリプリーによって宇宙へ放り出されたゼノモーフが休眠していたのだった。

というところから始まる『エイリアン:ロムルス』は、リプリーがノストロモ号を爆破してから20年後であり、リドリー・スコット監督の名作『エイリアン:ALIEN』とジェームス・キャメロン監督の『エイリアン2:ALIENS』の間の時代の出来事が描かれています。

作品情報

監督:フェデ・アルバレス
脚本:フェデ・アルバレス&ロド・サヤゲス
キャラクター原案:ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
製作:リドリー・スコット、マイケル・プルス、ウォルター・ヒル
製作総指揮:フェデ・アルバレス、エリザベス・カンティロン、ブレント・オコナー、トム・モラン
撮影:ガロ・オリバレス
プロダクション・デザイナー:ネイマン・マーシャル
編集ジェイク・ロバーツ
音楽
:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
視覚効果スーパーバイザー:エリック・バルバラ
公開:2024年
上映時間:1時間58分51秒

キャスト

レイン(マリー・レインズ・キャラディン):ケイリー・スピニー
ジャクソン星の劣悪な環境で農作業に従事している20歳の女性。アンドロイドの弟アンディと2人で暮らしている。環境のいいユヴァーガ星への移住を希望している。
アンディ:デヴィッド・ジョンソン
アンドロイドだがレインの弟。レインの父親が廃棄されていたアンディを修復。レインを守り助けるようにプログラミングされている。元はウェイランド・ユタニ社が植民地惑星開拓用に開発した旧型モデルND-255。
タイラー:アーチー・ルノー
レインの元カレ。最近、父親を亡くしている。今回のメンバーのリーダー的存在で責任感が強い。
ケイ:イザベラ・メルセド
タイラーの妹。妊娠しているが兄のタイラーは知らない。
ビヨン:スパイク・ファーン
タイラーとケイのいとこ。かつてアンドロイドの判断のせいで母親を亡くしている。そのためアンドロイドに嫌悪感を持っているので、アンディにも度々辛く当たる。
ナヴァロ:エイリーン・ウー
幼い頃、ビヨンの両親に預けられて育ったためビヨンとは実の姉弟のような関係にある。貨物船コーベランIVの操縦士。

『エイリアン:ロムルス』のあらすじ

レインは両親を亡くし、弟同然のアンドロイドのアンディと2人で暮らしながら、日照時間ゼロのジャクソン星で劣悪な環境のもと働いている。

永久に日の差さないジャクソン星を離れて、ユヴァーガ星への異動を申請するが、不当な労働期間の延長のために断念せざるを得なくなってしまう。

そこへレインの元カレでもあるタイラーから連絡が入る。タイラーは妹のケイ、いとこのビヨン、そしてビヨンにとっては姉のような存在のナヴァロと暮らしながら働いている。タイラー達もユヴァーガ星への移住を考えているが果たせないでいた。

ところが、タイラー達が地上300kmの上空で作業中に、ウェイランド・ユタニ社のルネッサンス宇宙ステーションが漂流しているのを偶然発見する。

ユヴァーガ星までは9年かかるが、宇宙ステーションにある冷凍睡眠ポッドを使えば、タイラー達の使っている貨物船コーベランIVでもユヴァーガ星へ行けることがわかる。そこでルネッサンスの冷凍睡眠ポッドをいただこうというのだ。

そのルネッサンス宇宙ステーションの内部は『ロムルス』と『レムス』という2つの区画からなっている。

レイン達6人は貨物船コーベランIVでステーションに向かう。ステーションへはタイラー、ビヨンとアンディが乗り移りポッドを回収する。回収は順調に進んだが、ポッドの燃料が足らないことが判明する。そこで、タイラー達はポッドをコーベランIVに積み込み、燃料探しをすることになる。

研究施設で燃料を発見した3人んだったが、燃料を取り出そうとした途端警報が鳴り、部屋に閉じ込められてしまう。3人が閉じ込められたことを知ったレインとナヴァロは、妊娠のために体調を崩したケイを残し救出に向かうが、タイラー達が閉じ込められた部屋は回収されたゼノモーフのDNAから作られたフェイスハガーが大量に保管されている部屋だった。

『エイリアン:ロムルス』の見どころ

ジャクソン星

●人口:2781人
●地球からの距離:65光年
●年間日照時間:0日

ジャクソン星はウェイランド・ユタニ社の植民地惑星で、常に暑い雲に覆われ、陽がさすことはありません。

産業は鉱石の採掘ですが、とても劣悪な環境で、毎日のように事故や健康被害で労働者が死んでおり、レインの両親も肺疾患で亡くなっています。労働者は不満を持ちますが、ウェランド・ユタニ社はなかなか改善しようとはしません。

そのため、レインやタイラー達も太陽の光のある環境のいいユヴァーガ星への移住を考えているのです。

『エイリアン』では、ノストロモ号が植民地惑星から鉱石を積み込んで地球へ帰還するところが描かれますが、その植民地惑星もジャクソン星のような環境なんだろうと推測されます。

閉鎖された環境でのサバイバル

『閉鎖された環境』というのは、エイリアンシリーズでは定番で、「プロメテウス」「コベナント」の2作を除いて共通した設定です。今回はウェイランド・ユタニ社の研究施設のルネッサンス宇宙ステーションとコーベランIV貨物船が舞台となります。

このステーションでは、『エイリアン』でリプリーがノストロモ号の脱出艇から吹き飛ばした「XX121ゼノモーフ」から採取したDNAを使って、植民地惑星の開拓に耐えうる人間を作り出そうとしていたようです。でも、どうやら研究半ばで、ゼノモーフに襲われ全滅してしまいます。

このルネッサンス宇宙ステーションでレイン達はフェイスハガーに襲われ、犠牲を出しながらもコーベランに逃げ帰りますが、そこでもゼノモーフが忍び込んでいるのです。

ルネッサンス宇宙ステーションに迫る危機

ジャクソン星には土星のようなリングがあります。漂流しているルネッサンス宇宙ステーションはそのリングに接近しつつあるのです。

リングは無数の小さな氷や岩でできており、まるでやすりのような状態に描かれています。そのリングに接触すると宇宙ステーションもひとたまりもありません。

レイン達がステーションに向かう時点ではリングに接触するまで36時間の余裕がありましたが、予期せぬ事故によりステーションの軌道が変わり、47分に早まってしまいます。時間に追われての脱出劇はハラハラどきどきの見ものです。

感情を持たないアンドロイドと感情に支配される人間

タイラーのいとこのビヨンはアンドロイドが嫌いで、レインの弟アンディに辛く当たります。

ビヨンはアンドロイドのせいで母親を亡くしています。かつて採掘場でガス漏れが起こった時に、まだビヨンの母親を含め3人が残っている坑道をアンドロイドが自己判断で閉じてしまうのです。アンドロイドは多数を助けるために3人を見捨ててしまったということでビヨンはアンドロイドを恨んでいるのです。

この作品では感情を持たず論理的、合理的な判断をするアンドロイドに対して、危険が及んだ時のレインやタイラー達の仲間を思うやさしさや行動が、逆に危険を招いてしまうという皮肉な結果を起こしてしまいます。

エイリアンシリーズへのオマージュが満載

1979年の『エイリアン』からのファンであれば、スクリーンの中に懐かしい場面やセリフ、人物?を発見できるでしょう。公開直後のネットでも話題になり、いくつ見つけられるかといったような記事が見受けられました。

『エイリアン:ロムルス』は一作目の『エイリアン』と2作目の『エイリアン2』の間の時代という設定になっています。『エイリアン』の20年後、『エイリアン2』の37年前という時代です。ということは、ノストロモ号やスラコ号、惑星LV-426のコロニーで見られたものとの共通点もあるはずなので、それもオマージュといっていいのかはわかりませんが、そういったシリーズの中で引き継がれているものを探してみるのも楽しみの一つです。

『エイリアン:ロムルス』の感想

冒頭のシーンで、無人探査機のコンピュータの起動するシーン、そして宇宙を漂流する残骸に「…TROMO」の文字を見た瞬間、1979年公開の『エイリアン』を見た時のワクワク感が蘇ってきました。一作目もコンピューターの起動するシーンから始まりましたよね。

監督はフェデ・アルバレス。本当をいうと、監督はリドリー・スコットであって欲しかったのですが、『死霊のはらわた』のリメーク作品や『ドント・ブリーズ』などのホラー作品で有名な監督ということやエイリアンシリーズのファンということで、なかなか見応えのある作品でした。それに、プロデュースにリドリー・スコットが入っていることで、『エイリアン』との整合性もあり、違和感なく楽しめる作品です。

今までエイリアンシリーズを見たことがなくても、十分楽しめるのですが、色々と過去作品のオマージュなどもあるので、最低でも『エイリアン』と『エイリアン2』は見ておいた方がより楽しめるし、エイリアンの世界観も理解しやすいのではないかと思います。

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