映画『デューン/砂の惑星:DUNE』の見どころと感想

SF

フランク・ハーバートのSF小説の名作『デューン砂の惑星』の映画化作品。2021年公開。2部作の1作目。監督は『メッセージ』や『ブレード・ランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ。出演はティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソンら。

作品情報

公開年:2021年

上映時間:155分

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:フランク・ハーバート『デューン砂の惑星』

製作:メアリー・ペアレント、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ケイル・ボイター、ジョー・カラッチョロ・ジュニア

製作総指揮:トーマス・タル、リチャード・P・ルビンスタイン
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

製作国:アメリカ

キャスト

ポール・アトレイデス:ティモシー・シャラメ

レディ・ジェシカ:レベッカ・ファーガソン

レト・アトレイデス公爵:オスカー・アイザック

ガーニイ・ハレック:ジョシュ・ブローリン

ウラディミール・ハルコンネン男爵:ステラン・スカルスガルド

グロッス・ラッバーン:デイヴ・バウティスタ
ス
フィル・ハワト:スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン

チャニ:ゼンデイヤ

ウェリントン・ユエ博士:チャン・チェン

リエト・カインズ博士:シャロン・ダンカン=ブルースター

ガイウス・ヘレン・モヒアム:シャーロット・ランプリング

ダンカン・アイダホ:ジェイソン・モモア

スティルガー:ハビエル・バルデム

映画『DUNE/砂の惑星 part1』あらすじ

西暦10190年。皇帝の命を受けたアトレイデス家は、宿敵ハルコンネン家に変わり、惑星アラキスを統治することになった。しかし、これには皇帝の陰謀があるとアトレイデス公爵は感じていた。

『デューン』とも呼ばれる砂の惑星アラキスは宇宙で最も貴重なスパイス『メランジ』の唯一の産地であった。ところが惑星アラキスを取り戻したいハルコンネン男爵は皇帝の手を借り、アトレイデス家に奇襲を仕掛け、公爵の命を狙う。

映画『DUNE/砂の惑星 part1』見どころ

この映画のストーリーは、帝国の中で力をつけつつあり、皇帝の足元を脅かす存在になりつつある、アトレイデス家を、敵対関係にあるハルコンネン家を利用して潰してしまおうという皇帝の企みが、この物語の根底にあります。

しかし、この物語をより大きく、複雑しているのが、この物語に登場する組織や主人公の置かれる環境なのです。その中で特にベネ・ゲセリットとフレーメンが大きく影響してきます。

二つの『家』に複雑に絡む組織

ベネ・ゲセリットは帝国の政治を陰で操っているといわれる、女性だけの、いってみれば修道会のような組織です。アトレイデス家の後継者ポール・アトレイデスの母レディ・ジェシカもそのメンバーの一人で、ベネ・ゲセリットは人の思考を見抜く能力を持っており、また『ヴォイス』という人を自由に操ることができる超能力も使います。

ポールもこの能力を母レディ・ジェシカから受け継いでおり、ジェシカは息子ポールがいずれ『クイサッツ・ハデラッハ』になるのではないかと、密かに期待しています。『クイサッツ・ハデラッハ』は時空を超越する精神と未来を見通すことのできる能力を持つ、いってみれば超人類のような存在でです。

ベネ・ゲセリットの目的もこのクイサッツ・ハデラッハを出現させることなのです。ポールはまだ未熟なのですが、今後この能力がどのように進化していくのかが、この映画の見どころにもなります。

ポール・アトレイデスとフレーメンの関係

そしてもう一つがフレーメンです。ポールとジェシカはフレーメンの仲間となり、どんどん力をつけていき、いずれフレーメンを率いてハルコンネンに立ち向かうことになります。これは次回作での話になってしまいますが、ポールがどのようにしてフレーメンと切っても切れない関係になっていきます。

またフレーメンから何を学ぶのかも見どころの一つです。またポールは惑星カラダンにいる時から夢の中に、フレーメンの少女チャニが出てきていました。チャニがポールに果たす役割ななんでしょうね。これも楽しみの一つです。

二つの『DUNE/砂の惑星』

この映画は1965年にフランク・ハーバートが書いたSF小説『デューン砂の惑星』の映画化作品です。この映画はSF小説としても名作といわれており、大作でもあるので映画化はむずかしいのではないかといわれていた作品です。

この作品は1984年、デビッド・リンチ監督、カイル・マクラクラン主演で映画化されています。小説の世界観が壮大な映像で描かれていましたが。その当時、大作とはいえ、二部作や三部作に分けて製作されることがあまりなかった時代でしたから、2時間余りという本編の長さが十分だったのかは、ちょっと疑問の残るところです。

ところが、リンチ監督以前の70年代にも映画化の計画があったのです。監督は『エル・トポ』や『ホーリー・マウンテン』などで、カルト映画の巨匠と言われるアレハンドロ・ホドロフスキーです。メカデザインには重厚なメカで有名なSF画家のクリス・フォスや、のちに映画史に残るモンスターをデザインしたH・R・ギーガー、キャラクターデザインや絵コンテにSFファンタジーのコミックやアニメで有名で宮崎駿監督にも影響を与えたといわれる巨匠メビウスなどが参加していました。

帝国の皇帝役には、シュールレアリズムの巨匠サルバドール・ダリ。またオーソン・ウェールズやミック・ジャガーなどもキャスティングされる予定だったようですが、企画段階で頓挫してしまいます。制作されていれば、相当ぶっ飛んだ映画になったのでしょうね。

ちなみに、ホドロフスキーの『DUNE』で企画段階から加わっており、特殊効果を担当する予定だったのがダン・オバノンなのですが、この数年後に公開されるリドリー・スコット監督の『エイリアン』の原案と脚本を担当するのもダン・オバノンです。『エイリアン』のモンスターや異星人の宇宙船をデザインするH・R・ギーガーとの縁がこの映画にあるようです。

まとめと感想

デビッド・リンチ監督の『DUNE/砂の惑星』から37年経っての映画化になりますが、今回は二部に分かれているため、前回の1作にまとめられた作品よりも中身の濃い内容となっている印象はあります。

まだ、前半部分が公開されただけなのですが、後半は、ポール・アトレイデスとフレーメンの関係や、前半で妊娠が発覚したレディ・ジェシカの運命、宿敵ハルコンネンとの戦いなど、見どころはたくさんありそうです。

デューン/砂の惑星part2は、新型コロナの影響もあり公開が遅れに遅れ、2023年になりました。

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