2008年公開のアメリカ映画。監督はジョン・ファヴロー、主演はロバート・ダウニー・Jr。マーベルコミックの人気キャラクター『アイアンマン』シリーズの1作目。また、この映画は、マーベルコミックに登場するヒーローたちを、共通の世界観で描かれる『MCU:Marvel Cinematic Univers』シリーズの第一弾となる作品でもあります。
作品情報
公開:2008年
監督:ジョン・ファヴロー
原作:スタン・リー、ラリー・リーバー、ドン・ヘック、ジャック・カービー
配給:パラマウント・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間:126分
製作国:アメリカ合衆国
キャスト
トニー・スターク:ロバート・ダウニー・Jr.
ローディ:テレンス・ハワード
オバディア・ステイン:ジェフ・ブリッジス
ペッパー・ポッツ:グウィネス・パルトロウ
映画『アイアンマン』あらすじ
巨大な軍事企業の経営者トニー・スタークは、アフガニスタンで新型ミサイルのプレゼンテーションを行う。ところが車での移動中に突然、武装テロ組織に攻撃され、負傷し拉致されてしまう。テロ組織はスタークに新型ミサイルの製造を強要するが、スタークはミサイルの開発に見せかけてパワードスーツを製作し、それを使って脱出に成功する。
無事アメリカに帰還したスタークは、テロ組織が自社製の兵器によって民衆が犠牲になっている事実にショックを受け、自社での兵器開発からの突然の撤退を発表し世間を驚かす。特に先代社長からの副審で副社長のオバディアは強硬に反対し、役員会でスタークの解任を要求する。
一方、スタークはテロ組織や犯罪者と戦うために、自宅の研究施設で新たなパワードスーツの開発に着手する。
映画『アイアンマン』見どころ
この映画は、マーベル・コミックの同名のキャラクターの実写映画です。アイアンマンの初登場は1963年に発売された、TALES OF SUSPENSE誌に掲載されたコミックに遡ります。コミックからのファンにとって、実写映画でアイアンマンがどのように描かれるのか興味のあるところでしょう。
アイアンマンの誕生
映画の冒頭、トニー・スタークは軍用車両の車列の中で、ウイスキーの入ったグラスを揺らし、同乗している若い兵士たちと談笑しています。
その直後車列は砲撃を受け、車から飛び出したスタークの目の前に1発の爆弾が落ちてきます。爆弾が爆発する直前にスタークが目にしたのは爆弾に描かれた『STARK INDUSTORIES』のロゴ。この後スタークは負傷し、武装テロ組織に囚われてしまうのですが、この出来事がアイアンマン誕生につながっていきます。
スタークは兵器に関して、父親譲りのポリシーを持って、父親から受け継いだ巨大軍需企業である『スターク・インダストリー』を経営してきました。でもその考えが、テロ組織に拉致されたことをきっかけに変わってしまうのです。
パワードスーツ開発シーン
トニー・スタークは父親譲りの天才的な発明家で、大企業の社長で大富豪、そして女性に目が無いという性格です。しかしアメリカへの帰還後、女性には目もくれず、自宅の研究室で黙々とパワードスーツ開発に集中するようになるのです。
テストを繰り返しながら、パワードスーツのパーツが次々とできていくシーンはなかなか見応えがあります。特に、パワードスーツの装着シーンは見ものです。生身の人間のトニー・スタークの体にパーツが取り付けられ、徐々にアイアンマンになっていくシーンは、ヒーロー物ならではのワクワクシーンです。
飽きさせないストーリー展開
武装テロ組織に拉致されて以降、トニー・スタークは変わっていきます。
この物語は、トニー・スターク=アイアンマン vs 悪の組織という図式がメインではあるのですが、トニー・スタークの変化やスターク・インダストリー社の兵器産業からの撤退に端を発する、裏切りの発覚。アイアンマンのパワードスーツやその動力源のアーク・リアクターをめぐる陰謀などが目まぐるしく起こり、見ていて飽きることはありません。
魅力的なキャストにも注目
本作でトニー・スタークを演じるのは、実力派俳優として数々の受賞歴のあるロバート・ダウニー・Jr。ヒーロー物の主役というと、とかくアクションに目が行きがちで、縁起が二の次という印象になりがちのように思うのですが、ロバート・ダウニー・Jrは、トニー・スタークというキャラクターに深みを持たせ、心が変化していく過程もわかりやすく表現されています。
また、脇役にも手を抜いていないですよね。トニー・スタークを思いながらも常に一歩引いて見守っている、ペッパーを演じるグウィネス・パルトローもとても魅力的です。のちに敵対関係になってしまうオバディア役のジェフ・ブリッジス、信頼できるパートナー、ローディー役のテレンス・ハワードなど、豪華なキャスト陣の演技も見逃せません。また、マーベル・コミックの生みの親スタン・リーがどこかにチラッと出演しています。
まとめと感想
コミック作品の実写化というのは、コミックとのイメージのギャップが常に問題になることも多いですが、アメリカン・コミックの実写化に関しては、どれも迫力のある作品になっていますね。アイアンマン以前でいうと、マーベルのスパイダーマンやDCではスーパーマンやバットマンなど、どれも迫力のある重厚感のある作りになっている印象があります。
このアイアンマンも同じで、俳優の演技も含めて密度の濃い映画という印象があります。オープニングからラストまで見る人を飽きさせない映画だと思います。
この映画は、MCU:Marvel Cinematic Universの一作目ということで、今後、共通した世界観でマーベル・ヒーローの映画が作られるということなので、今後がとても楽しみです。

